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POST RÉCENTS : 

「ヴァイキングの歴史」

創元世界史ライブラリーから出た熊野 聰氏の「ヴァイキングの歴史」を読みました。

今受講しているスカンディナビアの考古学の参考書として日本から取り寄せた。

教授から参考にとThe Viking Worldの全ページのコピーが送られてきたけど、あまりに長すぎるのと、今後別にこの分野を専攻するわけでもないので、フランス語で読むめんどくささに負け…た…。本当ならフランス語で読めるBauduinの本から読んだほうがいいんだろうけど…時間節約のため。

いくらヨーロッパとはいえ北欧の歴史なんて完全に知識ゼロだったので、役に立ちました。もっと早く買えばよかった。特に前半の交易とかの部分。なんでかというと、初期中世担当の教授がデンマーク系の人で、北欧の方を主に研究してる人なので、授業で使われる資料もそのあたりで出土したやつばっかりなんですよね。授業受けてた時、正直地名とか時代背景とかよく分かってなかった。時代区分なんかもぼやっとしてた。

時代区分といえば、フランスでいう初期中世の頃は、北欧では後半ならヴァイキング時代に突入してるけど、前半なんて、まだprehistoryなんですよね。びっくり。しかもローマ鉄器時代とかゲルマン鉄器時代とかいう謎な時代を経て、突然のヴァイキング時代。そこからキリスト教化してやっと中世なので、いかに西欧と時代区分が違うかっていう。この時代区分、出土品の特徴から命名されてるので、北欧諸国でいかに出土品が歴史編纂に役立てられてるか分かる。ローマとかほど、ラテン語でいろんな文書が残ってるわけじゃないからしょうがないんだろうけど。

この本読めばよくわかるけど、社会形態、農民の在り方も中世初期のフランスとは全然違う。この地域の歴史ってあんまり日本じゃ人気なさそうだけど、(それはフランスでもそうだけど)突き詰めたらかなり楽しい分野だろうなとも思う。ヴァイキング時代とかそれ以降の歴史やるならならサガとかあるし、古代だとサガは無いけど、掘れば船だの金貨だの家の柱だのかなり保存状態のいい遺物がや遺構がイギリスの方からもロシアの方からも、あちこちで出てくるし。

問題は、研究報告書がだいたい北欧諸語なこと。いくら英語できたって英語に訳されてない報告書がたくさんあるので、かなりきつい。古い発掘とかは特に。せめてドイツ語とかできたら違うんでしょうか。

そして今まさにその問題にぶち当たっていて、スウェーデンのウプサラ教会(ガムラ・ウプサラにある古いほう)について20分ほど発表しないといけないのに、資料がぜんっぜん見つからない。ドクターの人に相談したけど、その人も別に北欧の考古学専門ではないから全然情報くれなくてやばい。ウプサラ大聖堂の方なら最近の発掘報告書の英語版も、建築考古学の資料もいっぱいあるのに、ガムラ・ウプサラのほうの旧大聖堂となると本当に無い。逆に異教時代の神殿の方の発掘報告書なら結構あるけど。

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