top of page

POST RÉCENTS : 

古代ガリアのアンフォラの分類と分析

フランス、ナルボンヌでアンフォラの工房(des officines)が発見された。

アンフォラ(amphore)は当時、ワインやその他の液体物を入れるのに最もよく使われた容器である。あまり便利なものとは言えず、積み重ねるのも難しく、壊れてしまうことも多かった。 多くのアンフォラが発見され、その製作は規格化され、ひとつの産業として成り立っていたと思われる。

アンフォラはローマ帝国時代の交易範囲を知る重要な手がかりである。

ロンドンやアレクサンドリア、オスティアなどで、ローヌ川渓谷の土で作られた同じタイプのアンフォラが発見されたことから、当時のワイン産業の交易の規模だけでなく、各都市の産業における関係を探ることができる。

アンフォラの表面に内容物やその質、原産地、輸出先などの碑文が刻まれていることがある。 アンフォラの表面にまだ素地が柔らかいうちにハンコのようなもので押印された。取っ手の部分に押されることが多い。ナルボンヌ以外でも、アキテーヌなどにも工房があった。

アンフォラは最大のもので20キロリットル入るものも発見されており、そのサイズは時代や場所によって異なる。

1980年台の研究によるアンフォラの分類

- 前1世紀 : Dressel 1。 30Kg、20L入れることができる。

- アウグストゥス時代 : Gauloise 2。平らな底、10Kg、30L入れることができる。

- 1世紀 : Dressel 1, 3, 5, 7。

- 1〜3世紀 : Gauloise 4, 大量生産され、最も頻繁に発見されるタイプ。イギリスやエジプト、イタリア、ギリシャでも発見されている。

X線によるアンフォラの破片の分析

分析対象のサンプルは0.2グラム以上のもので、よく洗浄されていなければならない。

3種類の素地が確認された。

① カオリンを含む砂状の土 : gauloise 1タイプに多い。,ガール県で採られる。やや白っぽい。異なる5箇所の工房で作成された23の破片が分析された。一般にGauloise 1タイプのアンフォラは最も頻繁に証印されている。

②石灰質の土 : 主にナルボンヌで発見される。 オレンジっぽい色。多孔質でもろい。 496以上の破片が発見された。渓谷の多いラングドックで採られた。渓谷ごとに少しずつ地質が異なるので、そこからアンフォラの作成された工房を特定できる。例えば、ローヌ川の渓谷の土を使った工房は11あったことが分かったし、デュランス川の渓谷の土を使ったとされる工房は6つあると分かった。これら6つの工房では石灰の割合が他の工房とは少し異なるため、特定が可能となった。

③石灰質ではない土 :赤っぽいオレンジの土。Gauloise 4タイプに多い。ロンドンなどの北ヨーロッパから、アレクサンドリアまで広範囲で見つかっている。

bottom of page